大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和27(あ)2897 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人島秀一の上告趣意(後記)第一点について。

所論は判例違反をいうがその判例を具体的に示していないばかりでなく、たとえ

所論のように小麦に関する統制が廃止されたことによつて小麦が食糧管理法施行規

則にいわゆる主要食糧から除外されても既にその前に成立した主要食糧(小麦)輸

送委託罪に対する刑が廃止されたものということのできないことは当裁判所の従来

の判例の趣旨とするところであつて今これを変更する必要がない。されば論旨は採

用し難い。 (昭和二三年(れ)八〇〇号同二五年一〇月一一日大法廷判決、集四

巻一〇号一九七二頁昭和二四年(れ)二四七一号同二六年三月二二日第一小法廷判

決、集五巻四号六一三頁参照)。

同第二点について。

所論は憲法及び判例の各違反を主張するが後者については前同様その判例を具体

的に示していないし、所論食糧管理法施行規則二〇条は主要食糧販売業者の登録資

格に関する規程であつて第一審判決が同条を適用している訳でないから仮りに所論

のように同条が憲法に違反するとしてもその為に第一審判決及びこれを是認した原

判決の違憲を来すものでないから結局所論違憲の主張はその前提を欠き理由のない

ものといわなければならない。

よつて刑訴四〇八条により主文のとおり判決する。

この判決は論旨第一点に対する裁判官井上登、同小林俊三の少数意見を除くほか

裁判官一致の意見によるものである。

裁判官井上登、同小林俊三の意見は被告人の第一審判決判示の玄小麦輸送委託の

所為は昭和二七年五月三一日食糧管理法施行規則二九条のその後の改正により禁止

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を解かれて処罰されないこととなつた結果、犯行後にいわゆる刑の廃止があつた場

合に当ると解すべきであるというのである。なお裁判官井上登の意見の詳細は昭和

二三年(れ)八〇〇号同二五年一〇月一一日大法廷判決において述べたところと同

趣旨であるからこれを引用する(集四巻一〇号一九八九頁)。

昭和二九年三月二三日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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